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ホームページコラム 筆不精医誌曖昧模糊 -あいまいもこ-

当院のコミュニティルーム

VOL.49
2019.10

こんにちは。院長の新です。

 

今年の夏は、短く感じましたが体に堪える暑さでした。石川県でも、最高気温の40.1℃をマークしました。高熱と同じ気温です。聞くだけでもめまいがしそうな感じです。10月を迎え秋もたけなわですが、空調管理を上手に行い身体の冷やし過ぎにご注意ください。

 

今年は、年号が変わった節目の年であるせいか、折に触れて、しみじみと歴史を感じつつも過去を振り返る事があります。

 

私も今年で49歳。約半世紀を生きてきたことになります。この約半世紀の間に、昭和、平成、令和と3つの年号を股にかけました。その間に、この世に生まれ、学生時代を経て、就職し社会人となり、結婚し家庭を持ち、子供を持ち家族が増え、「新くりにっく」と言う一国一城の主になりました。

 

この半世紀で、世の中は、パソコンやスマホの流通、LINEやYOU TUBEの流行などソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が発展してきました。一方で、最近は活字やテレビ離れが進んでいます。我が家でも家族4人とも、スマホ、パソコン、タブレット端末をそれぞれに所有しており、個々に違う動画、音楽などを楽しんでいます。この半世紀でテクノロジーは目覚ましく発展し進化しました。日進月歩。確かに技術革新は素晴らしく、より便利になっていると思うのですが、何故だかどこか物寂しく感じてしまいます。

 

私の生まれた昭和40年代は、1台のテレビを囲み3世代家族が集まり、さらにはご近所の方まで集まり、「あーでもない、こーでもない」など談笑したり、さらにはスポーツ観戦に興じていました。この時代、力道山や美空ひばりなどのスターが生まれ、アポロが月に着陸し、東京オリンピックや大阪万博などもあり、今でいうコンサートやイベントへ行くような気分でテレビの前に家族やご近所さん方が集まったのでしょう。3種の神器。「テレビ、冷蔵庫、洗濯機」と白物家電が豊かさの象徴でした。

 

昭和から平成へと時代が進むと、核家族化、共働き、少子化と社会が変容していきました。2000年に入ってからはSNSが当たり前のように使われるようになり、個別化、孤立化が進んでいきました。ドラえもんの世界は、自分たちが死んだずっとずっと先だと思っていましたが、今では、故人とそっくりな見た目や声をAIを用いて映像ではありますが、かなりそっくりに再現できるようにもなっています。仮想世界に仮想世界の住人の自分も作れてしまうとか。まるでハリウッド映画の世界です。

 

こうしたフェイストゥフェイスのコミュニケーションを不必要とする技術革新の裏側で、逆に人間は退化しているように感じるのは私だけでしょうか。その煽りを受けてか、昭和の時代に比べて、不登校、ニート、引きこもり、孤立する独居老人が増しているように感じます。さらには、自殺、猟奇的な殺人、うつ病、認知症にも繋がっているのではないでしょうか。大袈裟かもしれませんが、便利の代償として、私たちは大切な何かを失いつつあるのかもしれません。

 

人と言う字は人と人とが寄り添い作られています。人は1人では生きていけません。心を通い合わせ、お互いを思いあい慮る。便利な世の中になり、ツールが沢山あるこの時代だからこそ 人と人のぬくもりを感じるコミュニケーションが大切ではないかと思い 当院でもそんな気持ちからコミュニティールームを併設しました。

 

コミュニティルームでは、毎月、私の未病セミナー、健康のためのヨガ体験、体操教室、手芸教室、オープンカフェなどの活動を行っています。皆様のお顔を拝見しながらお互いに刺激しあい、学びあう場にしたいと考えております。

 

皆様のご参加、新たな活動のサポートを スタッフフ一同、心よりお待ちしております。

 

新くりにっく

院長 新  浩一

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