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毒を以って毒(=病気)を制する

VOL.28
2017.02

今年は、インフルエンザ感染症、ノロウイルス胃腸炎がいつになく流行し、体調管理が難しい冬となりました。
うがい・手洗い・マスク着用、そして睡眠・栄養管理にもお気をつけ下さい。

 

こんにちは院長の新です。

 

連日のようにとある大国の大統領が、様々な大統領令を発布しています。それに対して世界中が翻弄され物議を醸し右往左往。しかし、この事がきっかけとなり、世界全体がもっと良くなるのでは・・・!?と、勝手に良い方向に想像しています。

 

私の考えはこうです。受け入れがたい危険な考えや主張が表明されると、必ずそのことに反応し今まで以上に真剣に世界や自国を良くしようと物事に取り組むようになる。結果として、世の中が、世界がもう一歩前進し、良い方向に向かうのではないかと思っています。驚くような突飛な意見は、時として考えを 見直すきっかけとなるということです。

 

医学の世界でも“毒を以って毒(=病気)を制する”治療があります。花粉症の舌下免疫療法は、その代表といえます。あえて、アレルギーの元である花粉を与えて体の自然治癒力を引き起こすのです。その結果、花粉症が完全に治ったりします。他にも、放射線ホルミシス(2005年国際ホルミシス学会なるものが出来ています)という学問が存在します。“低用量の放射線曝露は、かえって有益な効果をもたらす”というものです。実際に秋田県の玉川温泉はラドン泉であり、癌患者に効果があるといわれており、原爆被爆生存者(広島・長崎)の癌・白血病の罹患率および死亡率が低下している事が分かっています。

 

また、みなさんもお馴染みの“ワクチン”。あらかじめ、感染症の原因となる病原菌の毒性を弱めたもの、ないしは不活化したものを人体にいれ、その結果、病原菌に対する抗体を作る治療です。“毒を以って毒(=病気)を制する”といったことわざは 真意なるものだと改めて思います。

 

最後に、この原理を用いた治療法に。“ホメオパシ-”という治療法があります。病気の元となるような植物など原材料にし、それを何十倍、何百倍にも薄め、さらに振盪を加えレメディ(=薬)を作ります。これを舌で舐めるだけで自然治癒力に働きかけ病気を治すという療法です。この治療法は、ヨーロッパ諸国では家庭医の初期治療でよく使われ認知されています。新くりにっくでも用いている療法ですので、ご興味ある方はお気軽にご相談ください。

 

忌み嫌われ、避けられる傾向にあるスギ花粉、放射線、病原菌、病原性ある植物などが、実は最大の特効薬になるのだから、不思議ですね!人体の不思議。医療の道は日進月歩。進化したり初心に立ち戻ったり。

 

実に医学は面白いです。


 

院長 新  浩一

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