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ホームページコラム 筆不精医誌曖昧模糊 -あいまいもこ-

漢方のお話

VOL.22
2016.07

7月になりました。1年も折り返し。
梅雨が明けるまでのじめじめとしたこの季節、体調不調をきたす方が多いですね。
折り返し地点で身体のメンテナンスをしなさい!というサインかも知れません。

 

こんにちは 院長の新です。

 

今回は、漢方のお話をしたいと思います。漢方薬にどのようなイメージをお持ちでしょうか。今でこそ当院でも処方している漢方薬ですが、実は、私は勤務医の頃は好んで使う薬ではありませんでした。と言いますのも、急性肝炎で受診する方の中に原因が漢方だった・・・とか。薬の効果が分かりにくい・・・とか。その分かりにくいせいもあるのか、処方しても患者様ご自身で飲まなくなったりすることも多く、漢方については、どちらかと言うとあまり良いイメージを持っていませんでした。 漢方は、西洋医学の薬と違い飲んでも飲まなくてもどちらでも良いのだという間違った考え方が都市伝説のように広がっていますし、また独特の苦さがあるものも多く飲み続けるのが面倒になったのかなと思います。

 

昨年、開院してから患者様とゆっくり向き合いお話ししながら診療する機会に恵まれ、患者様から色々とお話を伺いますと・・・・。出てくる出てくる色々な症状。例えば、高血圧症で通院中の方であっても、他に症状はありますか?と聞いてみると。実は、肩こりも酷く、冷えもある。他にはと聞いていくと・・・・。 様々な自覚症状がわんさか明るみになってきます。冷え性、肩こり、頭痛、腰痛、倦怠感、めまい、しびれ、不安、抑うつの症状等。これらの症状は、通常の西洋医学の治療では、なかなか対処しにくくそして効果が得られにくいと言われている厄介な症状です。また、西洋医学ではそれらに対応する薬を処方するとなると、7.8種類と多くの薬を必要とします。

 

ところが、東洋医学である漢方薬は、こういった症状を得意とし、特に西洋医学では対処しにくいとされる、冷え性、肩こり、不安、抑うつについても多様なアプローチの様々な漢方薬が存在します。漢方に対して、あまり良いイメージを持っていなかった私ですが、これはきちんと患者様のカウンセリングが出来、その症状に合わせた漢方薬を処方できるのならとても良いものなのではないかと言う事に気がついたのです。それから、さらに漢方の勉強をし知識を深めていくと「漢方薬は、西洋医学では、手が届かないところに手が届く、まさに孫の手のようなものだ!」と、私は思いました。

 

多くの場合、患者様が抱える症状はひとつではありません。複数の症状でお困りの方が殆どです。診察し、その症状にもよりますが、西洋医学では何種類もの薬が必要になる患者様でも1種類の漢方薬で治せる場合があります。漢方薬には3000~4000年の長い歴史があるのも事実です。“自然治癒力に働きかける”“体質改善になる”ものです。「即効性がある」「苦くなく飲みやすい」「梅雨時期の体調不良に効果が出やすい」そんな漢方薬もあります。「漢方は、以前に飲んだけれど効かなかった・・・」という過去の苦い経験から漢方は効かない薬!と決めつけていたり、毛嫌いしている方もいることでしょう。

 

漢方は、カウンセリングがキモであり、経験や知識を必要とするため、症状に合わせた処方が難しいのも事実です。まずは、毛嫌いせずにかゆい所に手が届くそんな漢方薬について知識を深め、知る作業してみては如何でしょうか。漢方薬に興味が無い方でも、「医食同源」。知らず知らずに日本人は旬のものや発酵食品を生活に取り入れていたりもします。漢方薬の原材料になるものは、多くは草花やフルーツ等の植物です。そんな歴史やお話だけでも聞いてみるのも面白いかもしれません。

 

そんな思いから8月は漢方のセミナーを開催することに致しました。
8月新くりにっくコミュニティールームセミナー
8/27(土曜日)15:00~
日本人に身近な漢方を知り上手く活用する方法


 

院長 新  浩一

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