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医師と患者さまの信頼関係

VOL.11
2015.07

今年も、ジメジメとした梅雨がやって来ました。梅雨が明けると本格的な夏到来です。
体力、気力、共に1年で1番使う季節がやってくる前にきちんと体調を整えておく事が 夏を元気に乗り切る秘訣です。
さらに、この時期に多発する食中毒などには、くれぐれもお気を付けください。

こんにちは 院長の新です。今月は、『医師と患者様の信頼関係』について書いてみようと思います。

 

私の父は、36年前に新内科医院をこの新くりにっくの隣町に開院しました。今でも沢山の患者様に愛されている現役の町の病院です。こんな近所になぜ2軒も?と思われる方もいるでしょう。本来ならば、新たにクリニックを開院せずに私が新内科医院を引き継ぐのが普通の流れかと思いますが 「私なりの思いのこめたクリニックをいちから創りあげたかった。」ただそれだけの理由で、この新くりにっくを立ち上げました。また、新内科医院に通って下さる患者様にとっても、この新くりにっくの近隣の方には少しでも近くに内科があれば便利なのではないかとの父の思いもあり、JR加賀笠間駅の線路を挟んで山側・海側に2つの「新」と名のつく内科があるスタイルとしました。

 

新くりにっくを開院するまでの1年間程、副院長として新内科医院に籍を置いておりましたので、開院して2カ月、顔見知りの新内科医院の患者様方も沢山いらしてくださっています。そんな患者様から言われた一言。「お父さんには、今まで大変お世話になった。だから、健診だけはここに来るけど、後はお父さんの医院に行くよ。」それで何の問題もありません。病院において、患者様はお客様です。好きな医師や病院を選ぶ権利があります。人同士ですから相性もあるでしょう。好きな雰囲気もあるでしょう。先に述べましたように選択肢を多くすることでよりストレスの無い環境を患者様方にご提供できたらと思い開業いたしましたので まさに、健診は、新くりにっく。風邪をひいたら今まで通り新内科医院でなにも問題は無いのです。

 

気を使わない顔なじみの医者に顔なじみの何でも言える看護婦さん。これぞ町のお医者さんです。 新くりにっくは、開業して2カ月余りです。まだまだ患者様の安心する環境は作る事が出来ていません。ゆっくりゆっくり顔を覚えていただきながら「顔なじみの町のお医者さん」を目指していこうと思っています。何より嬉しい事は、先の患者様のようなご意見を伺う度に 地域の方々に、父は、これほどしたわれ信頼されていたのか!と熱くなる思いがあります。36年間、一度も休むことなく一人で沢山の患者様を真摯に診療し続けた賜物です。よりよい療養環境や治療結果は、医師と患者の相互の信頼関係で成立すると言われています。「信頼される医者とは?」という問いがよく情報誌に掲載されていますが この問いの答えが、こんな身近にあったのかとしみじみ感じています。父は、70歳を過ぎました。自分の信じた医療を日々こつこつ患者様と向きあい提供し続けていますが TVで取り上げられるような最先端の医療を探求するわけでもなく、何か専門に特化した医者でもありません。 それでも地域の患者さまにこれ程までの信頼を得ているのです。人として信頼して貰う。医者として患者様に信頼し頼って頂く。 簡単な事ではありませんが、安心で心地よいクリニック作りには欠かす事のできない要素だと私は改めて感じています。

 

患者様に信頼され頼られる医者であり続けるという事。
父のようにおひとりおひとりの患者様と丁寧に向き合いその時の最善を尽くしながらこつこつ信頼を築いていきたいと思っております。

 

院長 新  浩一

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