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ホームページコラム 筆不精医誌曖昧模糊 -あいまいもこ-

おひとりおひとり丁寧に

VOL.10
2015.06

こんにちは。院長の新です。

新緑のまぶしい季節。梅雨の前に夏日がやって来ております。今年は、どんな夏になるのでしょうか。

 

開院して1か月が経ちました。 今月は、数年後数十年後の備忘録として、今このタイミングに感じている事、 私が開院してから日々感じていること、思うことをお伝えしようと思います。

 

それは・・・・ ズバリ『楽しい!』の一言です。

『楽しい!』という表現は、当クリニックは病気を治療とする目的のクリニックであり 病気の患者様がお客様なので不適切な表現だと感じる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、クリニックも会社組織と同じであり、私もいち社会人であるという概念から考えると、この表現はありかと思いますので敢えてこの言葉を使わせていただきます。楽しく働ける環境である今のこの状況が本当に有難いと感じる毎日なのです。

 

私は長年大学病院や総合病院で勤務医をしてきましたが、一国一城の主である院長となった今と勤務医の時と大きく違う点があります。それは、誰に遠慮するでもなくじっくりと患者様と向き合い話が出来ることです。勿論、勤務医の時も患者様とは話をしていましたが、総合病院では分単位で患者様を診なければ診察時間に終了しない大変な事態が起こりますので、ある意味ビジネスライクな対応が求められました。具合の悪い患者様方をお待たせするのも申し訳ないですし、最短最速で症状を把握し→検査→診断→薬を処方するのが、私の日常でした。じっくり患者様のお話しを聞きたい!!と思っても、次から次へとカルテは受付から回って来ます。話が少しでも長くなると看護師達の冷たい視線が・・・背中を差すように感じたものでした。

 

また、時に西洋医学以外の東洋医学・民間療法などの相談をされることもあったのですが・・・・。西洋医学を主軸としている総合病院の組織の一員として勤めている以上、個人の主観で軽々しく発言をしてはいけないと考え、本当はこうなのにな~と思う事があっても差し控えておりました。この状態は、はっきり言って、むずむずしますし、私であって私でない状態でかなりのストレスでした。

今は、自分のクリニック。自己責任も大きくのしかかりますしプレッシャーも勿論ありますが、思う事を伝え、好きなだけ縛られることなく患者様とお話することが出来る。この自由の嬉しさや楽しさに勝るものなしなのです。

 

病と闘う方法は、多岐に渡ります。 医療従事者よりも多くの情報をお持ちの患者様も沢山いらっしゃいます(特に民間療法・自然療法など)。日々これで終わりと言う事のない医学を志した以上、私の学びは永遠に続くのだと思います。患者様の中には、色々とお調べになりコレ!という見解をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。病の切り口は、様々。私が学んだ知識と患者様の知識。大きな病院ではできない治療を色々な角度から一緒に取り組んでいきたいと思っています。

 

おひとりおひとり丁寧に。
今日も、これからも、私らしく楽しく患者様と向き合います。

 

院長 新  浩一

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